OIL MATIC

精密加工の精度を支える
液温コントロール

工作機械や産業機械に使用される各種冷却液を、「高精度」かつ「高い応答性」で温度制御することで、機械の熱変位を抑制し加工物(ワーク)の高精度加工を実現します。±0.001~0.05℃の制御精度が可能な製品や、複数の冷却部位を制御するマルチ制御製品もあります。

工作機械向け液温自動調整機のパイオニア

「オイルマチック」の誕生は1965年。自動車部品メーカーだった当社が、使用する工作機械の「熱」をいかに制御して、加工精度を維持するかという課題に直面したことが契機でした。機械の発熱と熱変位を研究し、理論と計算法を導き出し、熱の問題を最小化するための冷却用オイルの自動温度調整機を開発し、やがてこれを「オイルマチック」として商品化したのです。以来、常に現場の声を聞き、熱に関わる課題を解決する技術開発を重ね、当社ならではの製品を工作機械・各種産業機械メーカーと精密加工の現場に提供し続けています。

業界初の開発を重ねて常にベストな製品を

「オイルマチック」はこれまで、自動制御の方式として独自のインバータ制御、ガスバイパスPID制御、ツインパルス弁制御(特許)などを採用し、高い応答性を備えた高精度かつワイドレンジな液温自動制御製品をラインアップしてきました。温度精度±0.05℃以内の制御が可能な製品や、超精密工作機械向け温度精度±0.00055℃(室温変動±0.04℃以内)の制御技術など、業界初となった開発実績も数多くあります。また、「オイルマチック」は、お客様の求める仕様、加工条件、稼働環境に応じてカスタマイズを行い、オンリーワン仕様の製品として提供しています。

脱炭素社会の構築に向けた
製品開発の取り組み

OILMATICをはじめとする当社製品は、単なる「チラー」ではありません。

工作機械や産業機械の精度を支えるインターフェースとして、脱炭素社会の実現に向けた役割を果たすことを、これまで以上に求められています。

「マザーマシン」の精度を担うデバイスだからこそ、の思いを込めて、環境面からの開発を深化させています。

  • OILMATIC Cnyシリーズ

    グリーン冷媒を使用したOILMATIC

    GWP(地球温暖化係数)が最小の「1」であるグリーン冷媒(R-1234yf)を使ったOILMATICを「GreenR」シリーズとして展開。冷凍サイクルに独自の技術を搭載した。

  • PUREMATIC W2200

    水冷式仕様の「PUREMATIC」

    工作機械や産業機械との熱交換で奪った熱を、空気中ではなく、クーリングタワーから供給される冷却水に排熱し、工場内の室温上昇を抑制して省エネにつなげる。

ラインナップ

超精密工作機械・微細加工機向け

シリーズ

オイルマチックは±0.05℃の領域へ―

近年、超精密加工機や高精密微細加工機の発展に伴い、加工精度の高精度化は著しい進化を遂げています。高精度化により増大する発熱箇所の温度を、±0.05℃以内という高い精度で、かつコンパクトなサイズで温度管理したいとの声に応え、新たにオイルマチック「Cμ」シリーズを新規開発し、ラインナップ化いたしました。 高精度な工作機械の主軸冷却はもちろん、静圧軸受け(案内)油冷却や送り軸駆動用リニアモータ冷却、ボールねじ軸芯冷却、機体温度冷却などの用途において、高いレベルでの熱変位抑制に効果を発揮し、機械のパフォーマンスを極大化します。

  • 高性能コントローラ

    新開発の高性能コントローラを搭載。温度センサーを高精度化し、インバータ回転数の制御精度を向上させたほか、温度ドリフト補正回路も搭載しました。

  • 省スペース

    大きな容積を必要とする減衰槽を不要としたことで、大幅なコンパクト化を実現。工場内の敷地面積の有効活用に寄与します。

  • 省エネ

    弊社独自のインバータ制御方式の採用により、従来の減衰槽付きガスバイパス制御方式に比べ、省エネ性を向上させます。また、ツインパルス弁制御エリアによって高精度温調に加え、温度整定時間を大幅に短縮します。

  • アプリケーション

    工作機械・産業機械の高速・高精度化を促し、本来のポテンシャルを引き出します。図のほかにも「NC旋盤」「放電加工機」「プレス機」「理化学機器・医療機器」など幅広い機械群に対応します。

主軸冷却、作動油温調、潤滑油温調用

  • Cシリーズ

    デザインを一新し、従来のMRSCシリーズを仕様面、価格面、環境面、全ての面で見直しを行い、環境に配慮した省スペースモデルを開発しました。

    ツインパルス弁制御を新たに採用することで、低負荷領域から最大熱負荷まで、ワイドレンジに高精度な液温制御を実現しました。

    (特許:第4786960号)

  • CLシリーズ

    強制循環冷却方式オイルマチックの高精度機種で、弊社独自の「ガスバイパスPID制御」を採用。冷却能力を熱負荷にマッチするようリニアに可変することで、低負荷から最高負荷にいたるまで広範囲かつ高精度に液温をコントロールします(特許:第5020664 号)。

  • MLSA/MLSBシリーズ

    リザーバタンク無しの強制循環冷却方式オイルマチックの標準機種で開放型主軸頭の冷却用として開発されたMLSAシリーズ。冷凍機のON、OFF制御を採用し、11型以上はガスバイパス制御を採用。リザーバタンク付きの強制循環冷却方式オイルマチックの標準機種で密閉型主軸頭の冷却用として開発されたMLSBシリーズはMLSAシリーズ オイルマチック本体の下部にリザーバタンクをコンパクトに配置した構造となっています。

機体温調、クーラント温調用

  • Vシリーズ

    KTVシリーズのデザインを一新。Cシリーズ同様ツインパレス弁制御を新たに採用することで、低負荷領域から最大熱負荷まで、ワイドレンジに高精度な液温制御を実現し、省エネにも寄与しています。(特許:第4786960号)

  • KTVシリーズ

    主に工作機械等のクーラントタンクに搭載し、浸漬して熱交換させるタイプのオイルマチックです。 強制攪拌効果により、クーラントタンク内の温度分布が均一になり、また冷却コイルへの切屑の付着や堆積が少なく、安定した冷却効率を長期間にわたって維持します。

    初期加温用のヒーター付き仕様のほか、お客様のご希望によりタンク付き、クーラントポンプ付き等、様々なオプション対応が可能です。 また工作機械のクーラント液のほか、水、油等、様々な用途での液温制御が可能です。 (使用可能な液の種類についてはお問い合わせください)

  • MLCC(KTCG)/MRCC シリーズ

    KTCG型オイルマチックは本体とクーラントタンクとの間を配管で接続し、クーラント用ポンプでタンクから汲み上げた液を本体に設けた冷却器内を流れる冷媒との熱交換によってクーラント液を冷却します。液温が設定温度に対して低い場合には初期加温用ヒータ(オプション)を付属することで常に安定した温度管理を行うことができます。ON-OFF制御方式、インバータ制御方式の双方をご用意しております。

    (MRCCシリーズは特許:第4786960号)